看護師は救命という重要な目的があり勤め先に困らない職業として人気があるものの、一方でストレスが避けられない厳しい仕事だと言えるでしょう。看護師が抱えるストレスの原因は、仕事量の多さや責任の重さにあることは言うまでもありませんが、他にも様々なものがあります。
まず、慢性的な人手不足のために激務の職場が多く、疲労が積み重なって家事や子育てとの両立が難しいことが挙げられます。ワークライフバランスが維持できないと、家庭生活に過剰な負担がかかり結果として精神疾患や離職につながることも珍しくありません。
特に夜勤など不規則勤務を強いられる病棟勤務の看護師は、生活のリズムが崩れやすくストレスを解消する機会を逸したまま仕事を続けるという事態に陥っているケースが多く見られます。このようなワークライフバランスの問題から生じるストレスを回避することはそう簡単ではないでしょう。
思い切って職場を変え、日勤だけのクリニックや健診センターなどの勤め先でワークライフバランスを取り戻すことも必要です。看護師不足を解消するために、夜勤を免除したり短時間勤務を認めたりする正規職員を採用する試みも始まっています。
そして、職場の同僚や医師との人間関係も大きなストレスの原因の一つです。1人の患者を複数の看護師が担当するチームナーシングが導入された職場では、看護師間の意思疎通が重要性を増しており、チーム内でコミュニケーションがうまくいかないと強いストレスが生じてしまうのです。このようなストレスを軽減するために、全国の看護協会では相談センターを設けて看護師のフォローに努めています。